礼拝会の召命司牧の特徴と修道会のプチ社会学的分析
礼拝修道女はイエスに従う生き方のひとつのモデルを体現している。それは聖霊に動かされ、エウカリスチアのイエスへの強い愛に活気づけられ、礼拝と解放のミッションに専心したマリア・ミカエラの体験からインスピレーションを与えられたものである。この体験から私たちの召命司牧の特徴は次のようになる。①福音宣教者②教会と共に③カリスマ④エウカリスチア的な解放者。「神の御心の中に世界を探す(礼拝)世界の中心で神を探す(解放の体験)」➄普遍的⑥インカルチュレーション⑦マリアのように⑧神秘家であり預言者である⑨青年期を特権を与えられた時とみなす
(Plan Pastoral Vocacional Adoratirz)
「聖体と愛徳のはしため礼拝修道女会」は「聖体のイエスへの礼拝と搾取されている女性の解放と向上に尽くす」ために19世紀スペインに聖マリア・ミカエラによって創立された。現在、礼拝会日本管区をミクローマクロリンクに配慮してそれぞれの関係をみると、ミクロである各会員は各共同体(地域)で「祈り」と「活動」(社会福祉、NGO、事務、家事など)を行い、又修道会として、教会の中で、与えられた使命を果たすために、社会の中で社会福祉活動をしている。例えば保護事業やトラフィッキング部門を取り上げると、ただ「かくまう」だけではなく、教会の教区性を活かして被害者を地域や国を超えて保護し、より「安全・安心」を確保する事が出来る。又地域や社会とも連携する事によってその創発特性は更に増していく。
修道会の中での上長者選出は各成員の意見と選挙によって行われ、業績的地位となっている。又それぞれの会員は修道者でありながら「社会福祉施設勤務」「NGOワーカー」「経理」「オルガン奏者」「調理師」などの中の複数の役割を担っている場合が多い。その場合、勤務時間のために礼拝やミサに遅れてしまうなどの役割葛藤が起こる場合がある。
又教会には教会法、修道会には会憲、施設には就業規則など多くの成文化された規範があり、各人が専門性を持ち、権限体系がヒエラルキーをなしており官僚制の様に合理的である。しかし各会員が「神のいつくしみ」と「キリストの愛」を模範としているため、「対話」や「ゆるし」を大切にしていてとても人間的なつながりがある。
対内活動としては祈りやミサを中心とした霊的な活動が主軸となる。又対外活動としては社会と連帯して行う「法人」「NGO」「NPO」などの活動があり、その活動を通して信仰や思想を超えて「人権」や「社会正義」の名の下に集った人々と共に連携している。又教会においては、支部によっては高齢や障害でミサに与れない方を訪問する等の活動を通して相互的に霊的ウェルビーイングを高め、様々な生きづらさを理解し互助的につながっていると感じられる。
日本におけるカトリック信者は0.3%であるため会員は減少傾向であるが、社会学的に見ても、非常に合理的で尚且つ温かい集団である。