聖体と愛徳のはしため礼拝修道女会日本代理区のホームページです。

女性とともに -Hacer-

~人身問題に取組む部会(タリタ・クム日本)設立記念集会より~

2017年6月20日 | CATEGORY - 女性とともに

13-08-06 能勢・名月峠

 

はじめに「私と人身取引被害者支援~シェルタ―活動の経験から」と題して松浦司教からの記念講演がありました。1988年から1999年までに元大阪カトリック神学院の建物を使って行われたシェルター活動のダイナミックな動きを、人々との暖かな交流の具体的な出来事を通してご自分が変えられて行った体験としてお話してくださいました。きっかけは日本の社会政策によって、多くの外国人が日本へ来られ1992年などは中南米から98人、タイから26人、フィリピンから6人そのほか4人というかなりの人数の方々を受け入れられていたことが数字からわかります。又そう言った時流の流れの中でこの活動を逆手に取って利用するブローカー(「大阪神学院」の名前を使って日本行きを推奨する現地の)によって更に人数は増え、そう言ったブローカーとの静かな戦いを経て、「No」といえる自分が作り上げられて行ったお話などはとても考えさせられました。光と闇との闘い。又司教さんはいらしておられる方々の自由意思を尊重するために選択肢を増やすという事に心をつかい、又ルールについてはドライに遂行し、ルールが合わない方には出ていただいていたとのことでした。しかしルールが合わずに出された彼らと後で会っても、楽しく共に生活していたことだけを大切にして、出されたことを根に持っていない彼らの心の在り方(日本人と一味違う)にも感動した爽やかにおはなしされていました。又この様に大々的に行っていても教会という組織の中でできたこで、特に金銭の授受が無かったので、それがあった個人の支援者が法に触れても、教会の在り方は法に触れなかったという妙も大変興味ふかいものでした。最後に、この手の集会ではよく聴くセリフではあるのですが「全てが整ってから始めるのではなく、動きだしたら周りから必要なものが整えられてくる」という言葉が、実現していったゆえに響いてきました。

 

引き続きメリノール会のSrアビーよりタリタクム日本についての説明がありました。

 

タリタクムとは、修道会総長会議と連携した国際総長会議の(UISG)のプログラムの一つで、人身取引に反対する奉献生活者の国際ネットワークです。

 

タリタクム日本は、日本女子修道会総長管区長会及び管区長協議会と、日本カトリック司教協議会難民移住移動者委員会が連携し、人身取引の根絶に取組むために設立したネットワークです。

 

タリタクム日本のビジョンは「人身取引、現代の奴隷制度、強制労働の撲滅を目指すこと」で、ミッションは「教会内外を問わず多くの人々と連携、協力を得て、日本での人身取引を撲滅し、虐げられた人々が、(日常生活の中で)正義に基づく尊厳を取り戻すこと」

 

そしてその行動計画は

①人身取引に関するセミナーの開催②社会やメディアへの啓発促進③人身取引の防止と被害者保護のための制度改善を訴える。④被害者支援のための情報提供システムを発展させる。➄移住者への教育とエンパワメントプログラムを日本及び送り出し国において発展させる。

 

聖マリア・ミカエラのことば

「善人はつまずきを恐れて、彼女たちから離れ去ります。人はこの様な女性たちを保護しないばかりか、却って軽蔑と冷淡をかえすのです。彼女たちに罪を犯させた人たちでさえそうするのです。なぜなら、罪はある程度までいくと、それを犯す者からさえ嫌われるのです。つまり、彼女たちの贅沢と生活を一時は支えた人たちからも憎まれ迫害されるのです。」

 

現在私たちの施設に来られる方々の中には乖離性同一性障害(昔、多重人格といっていましたでしょうか…)の方々が目立ちます。そしてその多くの方が幼少期に身近の誰かから身体的に、心理的に大きな虐待を受け、その後に性的被害を受けやすくなってしまうという傾向が見えます。しかしながら精神科医の高橋和己氏は言っています。「国や社会を変革する人の中には、普通とは違った境遇の中を通ってきた方が多い、なぜならば社会に大きな影響を与えるような創造やイノベーションは常識の中からは生まれない」からだという。そのような現場の専門家の言葉に力づけられながら私たちは”祈り”で包んでいきたいと思う。その傷をもっている人からも憎まれる痛みを、真心からの祈りで包んでいきたいと思う。

 

集会の分かち合いのテーマが「今わたしが具体的にできることをいう」だった。その中で「祈る」というワードがでた。少し笑い声も聞こえてきたが…これは私たちには真実だと思う。

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